027話は社員の”年間営業目標値”を社員に決めさせて成果を上げている新興企業の仕組みについて書きます。
筆者はこれまで新入社員気質に触れ新入社員とのコミュニケーションの取り方、顧客との対話能力について触れました。
参照;020消せるボールペン型新入社員気質に営業リーダーはどうマネージメントしますか?   
021新入社員研修–顧客との対話能力をどう鍛えてますか?

驚くことにそんな心配を消し飛ばすリクルートの遺伝子を受け継いだ会社があり、社長に話を聞いて来ました。
(販路開拓、海外進出、研究開発、製造技術などを支援する経営顧問人材提案事業を展開している未上場企業です)

営業目標値を達成する上でのプロセスを目標設定をさせることはあっても営業目標値(売上、粗利)そのものを社員に決めさせる会社があって成果を上げていることに驚きました。
営業目標値は会社が決め社員に下ろすものと思っていました。

この会社の仕組み=入社3ヶ月の研修で
・BS,PLの読み方を教える
・人件費と販管費の構造を教えて、自分の給料の5倍の粗利益を稼がないと企業は回らないことを教える
・その結果、自分で自分の達成営業目標値を計画させる
・入社以降累積の”生涯回収バランスシート”で自分の累積コストvs回収粗利の
  事実を見える化している
・低い目標設定をした社員と高い目標設定をした社員が数年後がどういう差にな
 って帰ってくるか?が分かるようになっている     
・自分でMyPlanを決めさせることによって
  自主性、自己管理、自己責任の考え方を身に付けさせる
・ニーズは作りだすものだを教えている
 今日はどうだった? いや何もなかったです、、、ではなくニーズを作り出せてい
 ないのだ!!と、
 仮説提案でニーズを引き出す提案営業アプローチを教えている

読者がここまで読むと、これは恐ろしい会社ではないか?
定着率はどうなの?と疑問を持つかもしれません。

しかしこの企業は若い社員が脱落しないよう”里家家族”という手を打ってました。
・里家家族とは、新人7名に先輩3名の仮想家族を作って家族のように支援する、、という仕組みです。
・四半期毎に全社パーティを開催、楽しくやることを演出している
この4月に170名も新入社員を採用して戦力化しているのです。

レジェンド営業塾

改めてリクルートの挑戦する遺伝子に学ぶことが多いと思います。
古くからの仕組みや、しがらみの多い大手企業ではやりたくても出来ないことが新興企業ならそれが出来る、そこが新興企業の強みであることが分かります。
このケースを観ると、今時の新入社員をどう導くか?の思案に対し新興企業の仕組みの流用を考えてもらったらどうか、、と思います。
大手企業にとっても大いに参考になり取り入れたら良い発想だと思います。