ダイ・ハード「Die Hard」、主人公ジョン・マクレーン刑事にブルース・ウィリス主演したアクション映画があります。すごく格好いいタイトルですが、英語タイトル「Die Hard」は「ハードに死ぬ」という意味ではないようです。今回の、テーマは、世界が震度7規模に揺れに揺れた「BREXITショック」です。そのとき人はどう行動するのか、どんな「ショック」や「恐怖」に襲われても、しぶとく生きることです。

AMRI研究員の経済解説

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大内君
「Die Hard」、主人公ジョン・マクレーン刑事にブルース・ウィリス主演したアクション映画があります。格好いいタイトルですが、「ダイ・ハード」の英語タイトル「Die Hard」は「ハードに死ぬ」って意味ですか?
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山田課長
とても面白い映画だね。主人公が、頑強に抵抗する逞しさが魅力だけど、夢でもいいから、こんな格好よく生きたいね。「Die」と「 Hard」の「難しい」で 「死ぬのが難しい」、だから、そう簡単に死なない、しぶとい奴という意味があるようだ。かつてアメリカのバッテリーコマーシャルに「Die Hard」というキャッチフレーズがあったそうだ。訴求する商品イメージは、なかなか切れない「タフでしぶとい」、だそうだ。現代のサラリーマン社会でも、生き残るには、真面目すぎないでしぶとく生きないと家族は守れない。
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大内君
最近のニュースでは、英国のEU離脱という「BREXITショック」を受け、世界の金融市場が大揺れしました。一時的にはドルが99円台、株価は1300円も急落して、日本経済は大丈夫かと思いました。
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山田課長
ここにきて、大きく荒れた市場も落ち着きを取り戻したように見えるね。冷静に考えると、世界経済が、英国のEU離脱という理由だけで、深刻な不況に陥ることはないと思うけど、他の加盟国も続くと簡単には収まらないと思う。ただ。日本経済にとっては、消費増税の見送りは正解だったかもしれない。ひょっとしたら安部首相は伊勢志摩サミットでこれを予見して「リーマン・ショック級」のことが世界に起こりうるリスクがあると発言したのかもしれない、もし消費増税を決めた後で、イギリスがEU離脱になったら目も当てられないことになっていたはずだ!!
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大内君
それにしても、テレビのワイドショーでも取り上げられたことで、みんなが世界経済について学んだことになります。
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山田課長
もっとも英国のEU離脱危機に喜んだのは、「マスコミ」と「投機筋」かもしれない。しかし、これですべてが決まったわけではないようだ。英国国民の意思が表明されただけであり、実務的な折衝や合意形成の手続きは、すべてこれから始まるのです。その意味では、今後もさらなる紆余曲折がある可能性があるかもしれないね。EU残留という大逆転という可能性も消えていないようだ。
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大内君
それにしても、こんなことが起きたらどうしたらよいのか分かりません。
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山田課長
大事なのは、冷静に「それで世界の何が変わるのか?」ということを見極めることだ。歴史的にみると、景気は循環し、「イノベーション」で経済の仕組みは変わり、世界の富は増えてきた。その歯車が逆回転したことはあり得ない。今の悲観論が後退し、景気が循環的に回復したとき、何もなかったように成長していく。こうした視点でみているよ。いつの時代も、「戦争」と「平和」、「安定」と「不安定」、世界は、こうしてショックと歓喜を繰り返しながら、克服して、新しい時代を作っていくものだよ。だから、「パニック」に驚いて一緒に逃げることは、とても危険なのだ。
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大内君
資産形成のための株式投資は大丈夫でしょうか?
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山田課長
株価は「ファンダメンタルズ(fundamentals)」とその変化で決まると言われる。「ファンダメンタルズ」とは企業価値に影響する経済変数だといえる。例えば、今回のような政治的な混乱もあるし、リーマン・ショックもあったね、正常な時代では、ドル円、金利、企業が稼ぐ利益、キャッシュフロー、そうしたものが経済変数と呼ばれる。ただし、それ以上に株価は「センチメント(sentiment)」と呼ばれる「市場心理」で動く部分が大きい。今回の「BREXITショック」はまさに「センチメント(sentiment)」で株価が動いた典型例だったね、株価が、「ぞっくり飛び上がって」驚いた理由は、予期しなかったことが現実となった「サプライズ」だから、時間が経てば収束するものだ。特に今回は「BREXIT」という材料が明確なだけに収束は速いかもしれません。しかし、不透明感は、もっとも投資家が嫌うものだから、パニックを起こして逃げるのだ。
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大内君
ニュースでは、日経平均は8000円まで下がるという人がいました。日本の株価水準をどう見たらよいのでしょうか?
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山田課長
今回の下落によって、日経平均株価のPER(株価収益率)は6月27日現在で12.7倍程度、PBR(株価純資産倍率)は1.04倍程度、予想配当利回りは1.98%程度と、「バリュエーション(valuation)」、いわゆる企業価値を示す指標から見ると割安な水準に急落した。ファンダメンタルズ理論と呼ばれるものでは、株式には本質的な価値が存在すると考える。本質的価値とは、理論価格、または「フェアバリュー(Fair Value)」と呼ばれるものだ。純資産価値と利益成長や配当金を予想して妥当な株価、「フェアバリュー」を算定するものだ。いきすぎた「恐怖」と「楽観」により、株価には行き過ぎがつきものだが、やがては「フェアバリュー」に収斂すると考えるのが「ファンダメンタルズ理論」だ。