ある大手自動車メーカーの営業企画部課長「山田平太郎」は、部下の相談に気軽に乗ってくれる信頼が厚い人物です、「何事にも失敗を恐れず考えて挑戦しろ、新しいこと、難しいことに挑戦すれば失敗の数も増えるけど、人は成長する、」が口癖です。その部下の、「大内君」は、とても謙虚で爽やかな若者です、「大内君」に、グローバル時代に相応しいエリート教育の特訓中です。

AMRI研究員の経済解説

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大内君
課長はどんな映画を見ますか?
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山田課長
映画なら「007」だよ。シリーズ第1作「007は殺しの番号」から必ず観ているよ。格好良くて、イギリス紳士の典型のような「ジェームズ・ボンド」には憧れるね,また、多くの美人女性にもてるのは羨ましい。最新作「007 スペクター」も観たけど、「ダニエルクレイグ」のクールなスーツスタイルはいいね。着ているスーツは英国製の超一流品だというよ。自分もあんなように格好よく生きられたらね。
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大内君
僕も「アストンマーチン・バンキッシュ(Aston Martin Vanquish)」に乗って軽井沢でデートしたいものです。
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山田課長
「リスキー(risky)な仕事」、そしてクールで強く美人にもてる、これは映画の世界だけかもしれない。だけど私たちは、グローバル経済との戦いを通して「リスキーな仕事」をしているのだ、「Risk」、と「Risky」、格好よく生きるための「カギ」だよ。覚えておきたいね。
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大内君
「リスク(Risk)」とは、日常的に使われている言葉ですね。
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山田課長
設備投資計画などでは危険性や損失の発生する確率のことだけど、金融の世界では変動する不確実性を意味するようだ。投資したものが利益を得る可能性を「アップサイドリスク(upside risk)」、損失を被る可能性を「ダウンサイドリスク(downside risk)」と呼ぶようだね。
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大内君
どんな経済活動にも「リスク」が伴うということですね。
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山田課長
株価は毎日、大きく動いている、またドルも動きが大きいよね。だけど、預金にしておけば、そんなに大きな変動があったら大変だ。このような不確実性の度合いが「リスク」だ。そして、「ボラティリティ(Volatility)」といった言い方こともするよ、1000円の株が毎日100円も動けば、「ボラティリティが大きい」といい、毎日5円程度と小さければ「 ボラティリティが小さい」と呼んでいるよ。
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大内君
始まった2016年の日本市場は「ボラティリティが大きい」、「リスクの高い、「リスキーな市場」と言っていいですね。
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山田課長
日本市場を動かしているのは、国内の年金や投資信託などの他に、欧米の年金資金やオイルマネーや投機マネーだと言われているよ。なかでも海外の投機マネーは、荒れる中国市場を見ながら売買しているそうだ。中国の景気次第で日本の景気も左右されると読んでいるようだ。だから、日本時間の10時30分に上海市場が始まると動きが激しくなるようだ。いまの投機ファンドの電子売買システムには「上海市場の動き」が組み込まれているというよ。
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大内君
どの投資家も一斉に行動しているのですか。
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山田課長
いま、何かと話題のSMAPだが、SMAPのコンサート中に、もし、誰かが「火事だぁ!」と叫ぶと、観衆が一斉に出口に殺到する、いまのマーケットはこの現象のようだ。「中国の景気が危ない」、誰かが叫べば、皆が逃げる、だから「ボラティリティ」が大きい。
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大内君
「リスキーな投資」の管理はどうしたらよいのですか?
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山田課長
難しいけど「ストレス・テスト(stress test)」という言葉があるよ、想定外の「不測の事態」が発生したときのリスクを予測し損失額を予測することだ。わが社でも、新規の設備投資では、万一想定外の事態が発生したときのリスクを測定して投資計画をしている。資産投資でも「ストレス・テスト」により、予想外のリスクに耐えられるのか、計算しておくことだね。私たちの仕事は、ジェームズ・ボンドみたいに格好良くはないけど、いま、ドイツ車とは技術開発で、中国や韓国、台湾といった新興勢力とも壮絶な戦いをしているのだ。その意味では、もっとも最先端の株式市場を理解して、世界経済を知ることが重要なのだ。