ある大手自動車メーカーの営業企画部課長「山田平太郎」は、部下の相談に気軽に乗ってくれる信頼が厚い人物です、仕事は部下に任せて責任は自分がとる、部下の意見に耳を傾け、正当に評価する、成長を助ける、そんなことで頼れる上司です。その「山田課長」は部下に言います、「何事にも失敗を恐れず考えて挑戦しろ、新しいこと、難しいことに挑戦すれば失敗の数も増えるけど、人は成長する、」が口癖です。その部下に新しく配属された、「大内君」は、とても謙虚で爽やかな若者です、やはり上司に好かれるには、謙虚さと爽やかなことが大事です。「山田課長」、新人「大内君」に、毎日の経済の動きを解説しながら、グローバル時代に相応しいエリート教育の特訓中です。
AMRI研究員の経済解説
課長の趣味は何ですか?
趣味か、そうだね、ゴルフも付き合う程度はするけど、海とドライブが好きだね。そして歌なら「サザン」だ。「TSUNAMI」とか「I AM YOUR SINGER」を聴きながら、江の島あたりをドライブしていると、何か気が休まっていいものだよ。サザンの魅力は、日本人にはどこか懐かしくも、新しく、心がかき立てられるようだね。
課長も若くてロマンチックですね。家族サービスですか?
サービスと呼んではいけない、仕事ができるのは家族のお蔭だからね。
課長は海外出張が多いですが、日本での休日はどちらに行かれますか?
夏は信州の軽井沢や佐久がいいけど、いまの時期は、鎌倉八幡宮から江の島の水族館を経由して、箱根や伊豆あたりに出かけることが多いよ。我が家には、ワンちゃんの「COCOA君」がいるので、ワンちゃんも一緒に泊まれるところがいいので、伊豆急が経営する「ルネッサ伊豆高原」に決めているよ。ここは温泉もいいけど、釣りをするにも、下田に行くにも近くでお気に入りの宿だ。
私も家族ができたらそんなことをしてみたいです。ところで、北朝鮮が水爆実験をしたとのニュースで号外まででました。つい先日は、サウジとイランが国交断絶と伝えていましたが、世界経できな臭い出来事が目立ちますね。
これを「地政学的リスク」と呼んでいる、「地政学リスク」とは、テロや戦争などを意味している。突発的な事件が発生すると、先行き不安から経済活動は沈滞するね、地政学リスクは確率で測りきれない最たるものだと言われているから注意が必要だ、世界的に最も意識されている地政学的リスクは「中東情勢」なのだよ。いまでもイスラム国問題、サウジとイラン問題、イスラエル対イスラム諸国の軍事衝突、シリア内戦など、多くの対立関係や紛争問題があるよね。
私にはイスラム教も、「スンニ派」とか「シーア派」などよく分かりません、それが日本にも影響があるのでしょうか>
私にもイスラム教のことはよく分からない、仏教ですらよく分からないのだから異宗教はなお分からないよ。ただ日本では、日本列島から遠い中東情勢よりも北朝鮮の水素爆弾やミサイル問題が大きなニュースになるけど、中東は「日本の生命線」とも言われているよ。日本の原油輸入先は8割以上を中東地域が占めているからだ。いまは安く安定しているけど、緊張状態が高まれば原油価格が高騰する。また、今回もリスク回避だといって「円買い」が進んだよ。過去においては、株価暴落のほか、為替通貨の乱高下など大きな価格変動につながり、世界経済に与える影響は多大だったよ。
そんなとき、世界のお金持ちはどうするのですか?
お金持ちほど「リスク」に敏感だからね。過去には「地政学リスク回避」では、「有事のドル」、そして「金」が買われたよ。一般的には「有事にはドル買い」だと言われている、世界一安心できる通貨がドルだからね、危ない国やローカルな通貨を売ってドルに避難することになるのだ、もしも戦争となれば、最新鋭の軍事力を備えた「米国」が有利に働くとの思惑が働くからだよ。しかし、一時的には「リスク回避の円」が選択されているね。また金は平時に買って資金が必要になった有事に売って穴埋めするのが正しい」と言われているよ。まあ、人間はその時その時で複雑な行動をとるものだよ。
なんとなく納得しました。課長、こんど「カラオケ」で「サザン」を聴かせてください。