ある大手自動車メーカーの営業企画部課長は、いまでは珍しい名前の「山田平太郎」です、彼は部下からの信頼が厚い人物です、「何事にも失敗を恐れず考えて挑戦しろ、失敗は人を成長させる、」が口癖です。その部下の、「大内君」は、とても謙虚で爽やかな若者です、ただいま、グローバル時代に相応しいエリート教育中です。
AMRI研究員の経済解説
大内君
中国旅行者が高級炊飯器を1人で2個も3個も買い込み、銀座のデパートでは、化粧品やブランド品を買いまくっています。凄まじいまでの消費意欲ですが、お金持ちが多いですね。
山田課長
世界の金持ちを知るには「GDP」という統計があるよ。何の略語かというと、「Gross(総計) 」、「Domestic(国内の)」、「 Product(生産)」の略称だよ、日本語では、「国内総生産」と訳されている。その「GDP」とは何かを一言で表すと、「日本で、日本人が働いて稼いだ儲けのトータル」だと教えられたものだ。だから、「GDP」は国の経済の規模を示すとも言われている。
大内君
確か、中国は日本を抜いて第2位となったと騒がれていましたね。
山田課長
「GDP」で世界第2位になった中国は経済大国ではあるけど、1人当たりGDPで見ると、まだまだ先進国ではないようだ。2014年の統計では、日本の一人あたりが36221ドルで、27位、中国は80位で7571ドルだったよ。日本の5分の1程度だよ。
大内君
それでも、自動車は世界でもっとも売れているし、海外旅行者も世界一だといいます。昨年は、日本に500万人も押しかけ、爆買いなんてできるのは何故ですか?
山田課長
たしかに13億もの人口を抱える国だから、富裕層の数も億単位と半端ではないようだ。ただ、こうした金持ちは、ツアーではこないと言われている。もっと贅沢な世界一周の船旅に出かけるようだ。アジアにツアーで旅する多くは、年収が100万円~300万円程度の中間層のようだよ、表向きはそんなお金はなさそうだけど、彼らは、統計に表れない本業以外での稼ぎが多いと言われていて、その資金で買い物をしているそうだ。また、中国は貯めるのも上手いけど、使いかたも気前がいいようだ。 日本にとっては、多少マナーが悪くても気前のいい方が有難い。
大内君
ところで日本で給料が高い職業といえば、医者や弁護士などの専門職が思い浮びますが?
山田課長
2014年の職業年収ランキング」をみると、1位が航空機操縦士1712万円、2位が医師1154万円、3位が大学教授1073万円、4位が弁護士1035万円となっていた。やはり、医師や弁護士、会計士など、資格系の職種が多く含まれていた。興味深いのは、アメリカだ、1位は「内科医」、2013年の平均年収は約2260万円だというよ。ただ、内科医になるまでが大変なようだ、4年間の大学に通った後、4年間大学院などで専門知識を学び、さらに8年間の研修医期間が必要だそうだ。2位「歯科医」で約1970万円だった。そして、弁護士の平均年収は約1580万円だそうだ。日本の弁護士の平均年収は、1000万円から1200万円ほどと言われているよ。
大内君
高度な資格専門職は強いですね。
山田課長
お金も大事だけど、「エレガント(elegant)」という英単語があるよね。上品で美しく、落ち着きがあり、気品のあるさまを意味している。お金はなくても人生「エレガント」に生きたいものだと考えているよ。