山田課長は、大内君に期待しています。「自分は何ができるか」また「何をしたいか」を明確にした上で、チームの一員となる事が必要だといいます。
AMRI研究員の経済解説
大内君
今朝も映画の話からですか?
山田課長
今日の映画は、「史上最大の作戦(The Longest Day)」だ。こちらも古いよ、1962年のアメリカ映画で、第二次世界大戦における連合国軍のノルマンディー上陸作戦を描いた戦争映画だ。原題は、「The Longest Day」、日本語訳では「一番長い日」だが、映画評論家の、水野晴郎が「史上最大の作戦」と改題したものだ。そして、このテーマ曲がいいのだよ、ミッチ・ミラーが行進曲風に編曲したものがあるけど、是非とも聴いてみたまえ。日本語の歌詞もあるよ、それは、「何時も闘いは辛いものだぜ、生きて帰るのは誰か The Longest Day、たとえ死んだとて誰が弔う日の出みられるのは誰かThe Longest Day 」といった歌詞だよ。これは私のビジネス人生における応援歌なのだよ。大内君もいずれ世界に飛び出せば、そこは戦場、そして毎日が戦争だ。戦いに敗れて辛いときはこれを歌って勇気を出して欲しいものだね。
大内君
早速「TUTAYA」に行ってきますがあるといいですけど。
山田課長
そこで今朝は、経済の歴史から学ぶ「The Longest Day」の話だよ。「大事故が発生したときの長い一日」、それがテーマだ。君は、「ブラックマンデー( Black Monday)」を知っているかい。「ブラックマンデー( Black Monday)」とは、1987年10月19日に起こった、史上最大規模の世界的な株価大暴落のことだよ。日本語では、「暗黒の月曜日」と呼ばれている。翌日の、日経平均株価指数は連れて、14.90%の過去最大の暴落を起こした一日だった。
大内君
知りませんでした。
山田課長
歴史的に時々発生している「経済危機」は、急激な株価下落によって生じている。その後にも、「リーマン・ショック」があったね、こちらは、2008年9月15日に、投資銀行「リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)」が破綻したことに端を発したものだった。この時も、ものすごい勢いで株価が急落しました。いずれも、世界規模で恐慌を起こすほどの大惨事で、株価は二割強下落したものだ。株価は経済の体温計だから、暴落により経済体温は一気に覚めてしまう。人間は「恐怖」にパニックになって、売りが売りを呼んで、暴落となっていくものだ。しかし、困ったもので、このような「ショック」は、きっかけが何で、いつ発生するのかは、神のみぞ知るのだよ。
大内君
そんな一日は、「The Longest Day」ですね。
山田課長
この時の人間の行動心理も勉強になるよ。2011年3月11日金曜日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生した「東日本大震災」の時のことだよ。
大内君
学生時代のことでしたが、まだ記憶に新しいです。
山田課長
もしも、日本に大震災規模の災害に見舞われたら、その時「日本円」はたたき売られると思うかな。
大内君
日本経済ががたがた破損したわけですから、当然に「日本円」は売られるでしょうね。
山田課長
しかし、実際は違うのだ。誰もが、「日本円か売られる」と考えていた。確かに、地震発生直後は、すかさず日本円は83円台まで売られた、しかし、83円を天井に、ヘッジファンドの大量円買いが発生し、76.25円にまで円高に進んだものだった。何故なのか、「日本が大量に保有するアメリカ国債が災害復旧のために売られる」、「だからドル売り円高だ」、こんなシナリオの基に、ヘッジファンドが一斉に行動したものだった。「リスク回避=円買い」と刷り込まれた発想による投機も後押ししたようだ、1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災後も円高に進んだ、このような経済行動は、今後の参考になるかもしれないので記憶しておいてね。