今年、「永六輔」が亡くなりました。彼の書いた「上を向いて歩こう」は、 作曲が「中村八大」、そして歌ったのが「坂本九」です。昭和36年9月の「夢で逢いましょう」の今月の歌でした。「永六輔」が落ち込んでいた時に、「中村メイコ」が「泣きたいときは、上を向いて歩きなさい」という言葉を言って慰めたのがきっかけで生まれたといいます。この曲は、昭和37年に英国のレコード会社がタイトルを日本で食べた「スキヤキ」にして発売し大ヒットになったのですが、それから、米国でも「SUKIYAKI」という名前で大ブレイクしています。その頃の時代は、高度経済成長の時であり、国民の生活は必ずしも裕福ではなかった。しかし頑張れば将来が期待できる時代でした、あの「坂本九」のニキビ顔の笑顔がその時代にフィットしたものです。殺伐とした現代、人は「下を向いて歩く」、若者は出世を望まず、安定がいいといいます。「永六輔」が作詞したのは、「上を向いてあるこう」の他には、「こんにちは赤ちゃん」、「遠くへ行きたい」、「見上げてごらん夜の星を」があります。これらは今も日本人の心に残っています。

AMRI研究員の経済解説

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山田課長
現代のIT時代に生きていると、かつての高度成長期に、このような歌に励まされた時代が羨ましい。今年は、名司会者であった「大橋巨泉」の訃報もあった。いまはニュースも情報も、瞬く間に世界に伝わり、そして投資はコンピューターが行う時代だ。せめて心の豊かさだけは失わないようにしないとね。 
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大内君
IT時代で将棋や囲碁で名人に勝利したと聞きます。自動車の運転も自動運転が現実化しようとしています。そして、株式投資もAI投資が成果を上げていると聞きます。
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山田課長
そのようだね、投資でも「人工知能」の時代になったのかもしれないな、投資の世界には、「行動ファイナンス」と呼ばれる理論があるよ、比較的新しい分野の学問であり、プリンストン大学のダニエル・カーネマン博士が2002年にノーベル経済学賞を受賞したことにより注目された経済理論だ。簡単に言えば、「人々は常に合理的に行動するとは限らない」、という前提に立って金融市場の動きを考えた理論だ。人間は感情で動く生き物だから、いつも合理的な判断をしているとは限らない。したがって、過去の投資家がとった行動のビックデータを分析し、投資に応用したものだ。例えば、「地震が起きたら」、「テロが発生したら」、「NY市場が暴落したら」、「円が急騰したら」、などそのとき多くの投資家はどんな行動をとったのか、それを研究して応用したものだ。実際に投資成果はいいようだね。
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大内君
過去の行動を知れば、一般の投資家よりも先回り投資が可能ですね。
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山田課長
ただし、どんなに優秀なロボット知能が完成しても「人間の心理が読めない」と、投資では勝てないだろうね。投資家心理を表した有名な言葉があるよ。「悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく(Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria)」、これはアメリカの著名投資家「ジョン・テンプルトン」が言ったものだ。 言葉のままで説明は必要ないかもしれないけど、人間が悲観的な時は出発点で、先行きに警戒感があるうちは上昇する。そして、先行きに楽観的になった時が天井圏で、幸福感に浸っているうちに上昇トレンドが終了するという意味だよ。