ある大手自動車メーカーの営業企画部課長は、いまでは珍しい名前の「山田平太郎」です、彼は部下からの信頼が厚い人物です、「何事にも失敗を恐れず考えて挑戦しろ、失敗は人を成長させる、」が口癖です。その部下の、「大内君」は、とても謙虚で爽やかな若者です、ただいま、グローバル時代に相応しいエリート教育中です。
AMRI研究員の経済解説
毎月第1金曜日、日本時間の午後9時半に発表されるアメリカの雇用統計は、世界経済にもっとも影響する経済指数だと言われています。次回は、4月1日に発表されます。発表される統計数値では「非農業部門雇用者数」と「失業率」の2つの項目が特に重要です、そして「平均時給」も注目されます。今回3月の非農業部門雇用者数のコンセンサス予想は20万8000人です。労働市場の実態を反映するのが、この「非農業部門雇用者数」です、現在、雇用情勢を悪化させないためには約15万人が必要だとされています、さらに失業率を上昇させないためには約20万人が必要だとされます。今回、失業率のコンセンサス予想は4.9%です。「失業率」は5.2%-5.5%が適正水準だとされています、失業率5.0%を下回る水準は「完全雇用」に近いと見られています。
××年×日の、ある「トレーデッイング・ルーム」の一コマです。
日本時間9時30分ピタリにモニター画面に。「非農業部門雇用者数」、「失業率」が映し出されました。「労働省が発表した×月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が29万2000人増と、市場予想の20万人増を上回る大幅な伸びとなった」とありました。
「オォーこれはすごい! 予想以上に強いな」
「やぁドルが買われているぞ!」
「シカゴの日経平均先物もドル高で上げてきたぞ!」
「だけど、NYダウは下がってきた、やはりドル高が影響したのか?」
「うーん、前もってドルを買っておいて正解だったな!」
「シカゴ日経平均先物が高いので、明日の日本も高そうだな!」
「あぁ、今回は事前にドルとシカゴ日経平均先物にポジションを取っておいて成功した、よかった!」
堅調な雇用数が堅調だったことで、金利引き上げが連想されて、すかさず、「ドルが急騰」、したものです。株価は、ドル高により企業業績には悪影響を及ぼすとして下げました。このように、雇用統計の影響力は抜群です。したがって「ファンドマネージャー(Fund manager)」は、「恐怖」を覚えながらも、「儲けのチャンス」とばかりに、事前にポジションをとっています。結果次第では、大きく儲けることになりますが、損をすることにもなります、まさに「恐怖の報酬」なのです。