ソフトバンクが3つの成長分野!! と力を入れているスマートロボット、AI、IoTの話を聞いてきました。
043話はその中の人工知能事業 Watson(AI)の準備状況について触れます。
政府・経産省は今春ロボット、AI, モノとインターネットをつなぐIoT技術などの普及が雇用に与える影響を試算して公表すると言ってます。(1月23日日経夕刊)
主な職種ごとに雇用の増減を、国内改革せずに現状を放置した場合や雇用転換に成功した場合など複数の条件で試算するんだと。
新技術の普及で商品企画や研究開発、データ分析など高い技能が必要な仕事が増えると予測、高級レストランの接客や上質な介護、芸術家などロボットではできない仕事も増えると見込んでいるようです。
人口知能で何をやるのか?
ソフトバンクによると、単純な労働や情報処理はAI人工知能で,付加価値を創る所は人間ということですが、
筆者が注目したのは、営業マンの仕事の一部を人工知能でカバーしようという究極のアドバイス業務の実証実験の話です。
1)営業マンにとってやりたくない面倒なことは沢山あります。
例えば、
・社内手続きを調べること
・申請書類を作ること
・お客様にデモを見せるための機械・設備の予約(ソフトバンクの場合ロボットPepper)
・プレゼンテーターや優秀なエンジニアの予約など。
2)営業マンにとって、やりたくない仕事だ!と言ってられない訪問前準備という工程があります。
・初めてのお客様を訪問するにあたり、そのお客様の内部情報、外部情報を収集してどういう
アプローチをするか?を考える大事な工程。
新規顧客開拓を担当する営業の方はその準備作業の大切さと工数を理解できると思う。
例えば、過去3年の業績分析、競争企業との比較、中期経営計画での重点課題など
各所に分散する情報を収集して分析する情報処理は大変な作業。
これらをWatsonが収集・分析してくれて、営業マンはもっと付加価値の高いことに時間を使えるようにしようとする実証実験プロジェクトです。
SoftBankBrainと命名したAI-Watsonに様々な情報を取り込み、企業のプロセスフロー、社員のスケジュールデータや人事データが管理されている基幹アプリと深く連携していく。
重要な営業準備段階での「営業マンの力量の差」をなくそうとするプロジェクトだと診ました。
ソフトバンクがIBM-Watsonを使って人工知能の活用分野を営業プロセス改革で実証しようとする野心的な試みに共感を抱きました。
これはインパクトのある試みでソフトバンクの企業力を改めて感じました。大したもんだと思います。
Watsonの使用料は430万トランザクション/年間で月額260万円およそ社員2.6人分相当。
グループで数千人いるはずの営業マンをサポートしているスタッフを3名削減することは難しいことではなく充分ペイする話ではないでしょうか?
新規顧客開拓営業の場合、挑むお客様の基本情報を収集することを含めた「準備力」が
お客様の顕在~潜在するニーズを引き出す「ヒアリング力」に直結していて、営業の成果を大きく左右する力量だと筆者は思っています。
それらの多くを人工知能がやってくれる時代が身近なものとなれば、営業マンの仕事はお客様へのメリット・付加価値を考える仕事に集約されていくのではないか?
今後企業がこのようなシステムを創ることが競争力になっていくものと考えます。