9月1日松本で行われた小澤征爾80歳バースデーコンサートと6日のセイジ・オザワ松本フェスティバル最後のコンサートに行って来ました。
筆者は小澤さんから、どんな困難なことがあっても、やり続ける生き方を教えてもらいました。
それも中途半端でなく情熱込めて毎年繰り返す。人間小澤征爾の壮絶な姿に打たれます。
思いを続けてやり続ける努力が小澤さんの小さな背中から聴衆に伝わってくるのです。
ここ数年来腰痛、食道がん、今度8月は腰の骨折と壮絶な数年でした。
しかしサイトウ・キネン松本フェスティバルをやり続けました。
筆者が感心していることは小澤さんは若い演奏家を教えることに情熱を燃やしていることです。、
小澤さんは2000年から小澤征爾音楽塾を立ち上げ交響曲とオペラは車の両輪のようなものという師匠カラヤン先生の教えを継承し持論と若い演奏家に教えることに生涯を捧げているのです。
その継続した努力は音楽を目指す若者に終わりません。
長野県志賀高原の麓にある山之内中学校でのコンサートはなんと30年も続けているのです。
中学生が小澤さんへのお礼に全校生徒による合唱を聞かせてくれるのですが、それを聞くと感動して涙が出る、だから俺は毎年行く、、とい言われてました。
小澤さんは努力の天才だと思います。
可憐で格好良い指揮者というのは多くの人の憧れで一度やってみたいと思う存在だと思います。
しかし指揮者の実際は楽譜を読み説くことが仕事でそれは大変な苦労なことだと言われます。
食道がんを公表する3週間前に小澤さんから譜面を読む苦労を聴きました。
“017指揮者小澤征爾さんの入念な準備(楽譜読み)に学ぶ”で営業の苦労と相通じるものがあることを書きました。
ここ数年来体調崩して本格的演奏が出来ていない小澤さんが久々の登板でなぜいつも会場を満席にすることが出来るのか? 引き付ける魅力は何なのか?
どうしても究明したくなり1週間に2回松本に行って来ました。
サイトウ・キネンオーケストラのメンバーと聴衆の両サイドから探ってみました。
総括すれば、みんなで音楽を作りあげる共有感と誰も持ち合わせていないリーダーシップということになりそうです。
オーケストラのメンバーは指揮台に立つ小澤さんから熱い気が伝わってやる気になり、小澤さんとオーケストラの気力が相乗効果となってすごいパワーが生まれる!!
小澤さんと作る曲には今そこで音楽が生まれたような新鮮さが生まれる、、とコンサートマスターの矢部達哉さんが述べています。
年に一度だけ松本に集まるサイトウ・キネン・オーケストラの奏者は小沢さんとの演奏に備えて充分準備して臨むそうです。小澤さんもそれ以上に楽譜を読み込んで今年の小澤は違うぞ!!と思わせるよう準備するそうです。
それが聴衆に伝播して演奏家と聴衆に一体感が生まれる。
音を通して同じ空間で小澤さんと人生を共にしているような喜びと感動をもらえる、、と結論付けたいと思います。
そういう際立った力が小澤さんにあるのです。
世界的チェリストのヨーヨー・マさんは小澤さんは出会う人間すべての人に何か特別なものをくれる、、聴衆が大きな音楽家族になってしまう、、と述べています。
筆者はオーケストラも営業組織も同じような気がしてなりません。営業マネジャーは指揮者で、営業マンは演奏家として考えれば顧客の課題解決が譜面の解釈でありどうアプローチするかが指揮者と演奏家の共同作業だと解釈してます。営業マネジャーに於かれては何よりも思いを共有する努力が求められると思います。
もう一つ、営業を長く継続してやる人を増やして欲しいと願っております。3年や5年で一人前とは思えないのです。時間を掛けて営業の楽しさと喜びを得て欲しいと思います。