今年の都市対抗野球決勝戦は豊田市 トヨタ自動車 vs 日立市 日立製作所となった。
日本を代表する企業であり、これは見逃せないと思い、久々に観戦に行って来ました。
日立は、創部100年で初めて決勝進出、1947年創部のトヨタは都市対抗出場18回、日本選手権では4回優勝しているが、都市対抗での優勝はまだない。
(049)話は、企業スポーツと社会・地域貢献や健康経営について感じることを書きます。

主催毎日新聞朝比奈豊社長の閉会挨拶;
「都市の名前と企業の名前が一致する、まさに都市対抗らしい決勝戦となりました。
豊田市は見事な戦いぶりで、頂点に立つにふさわしいチームでした。社会人野球には地域と企業、クラブを結び付け、活性化する力があります。12日間声援を送ってくださったファンのみなさん、有難うございます」(毎日新聞)

初優勝の豊田章男社長は、完封した佐竹投手と抱き合い、
「感激した!!佐竹投手は涙を流していたが、一生懸命努力した者しか流せない涙だ。
トヨタ、日立とものづくり企業同士の決戦だった。日本をもっと元気にしたい」(スポニチ)
豊田社長の「日本をもっと元気にしたい、、」はTop企業としての覚悟を滲ませるコメントであり、一段とトヨタ自動車に対する評価と期待が高まるものと感じました。
都市対抗野球の結果とは無関係ですが、27日のトヨタの株価は、前日比+167円(2.93%高),日立は+9.7円(2.08%高)

創部100周年の日立は今大会の応援団コンクールの最優秀賞に輝きました。日立の応援動員は凄かった!!
“HITACHI Inspire the Next”と書かれたオレンジ色のベストを着た大応援団がスタンドを埋め尽くし、迫力あるウエーブで一体感を演出しました。

話は変わりますが、
経産省が東京証券取引所と共同で取り組んでいる、”なでしこ銘柄”と”健康経営銘柄”(選定企業25社)というの御存じですか?
2015年のダブル受賞になった日本航空(JAL)で、ダブル受賞記念フォーラムが開催され参加させてもらいました。
筆者のような部外者にも出席を認めてくれるJALの寛容な姿勢、
3時間半に亘って行われたこのフォーラムに、最後まで大西会長以下人財部門部門のトップが同席されていたことに感銘しました。
社員の健康と物心両面の幸福感が、企業業績を押し上げるという認識が高まって来たのです。
JALが行っている健康促進事業所対抗コンテストの上位3チームの発表が印象的でした。

一方、株式市場に
ESGという売上高や利益で表せない評価基準が登場して来ました。
E=環境(Environment)、S=社会貢献(Social)、G=企業統治(Governance)
環境や社会貢献に積極的な企業を市場が評価する時代です。
正に都市対抗野球は、それに合致する取り組みではないでしょうか?
3代の社長関与による粉飾決算で大リストラに追い込まれた東芝、
ラグビー部や野球部活動が休止されるのでは?と心配したが、存続、都市対抗野球歴代2位の優勝回数を誇るチームは今年も川崎市で代表で出場。休部したら社員の士気が持たない、との判断は米国企業ならあり得ないのですが、日本企業である東芝の判断は正しいと思う。
2014年TVドラマにもなった池井戸潤の小説”ルーズウ”ェルト・ゲーム”を思い出します。
中堅電子部品メーカーである青島製作所が競合の攻勢を受け経営が青息吐息となる。
伝統ある硬式野球部の存続をめぐり、従業員と地域社会の情熱が戦意喪失の選手を奮起させ会社廃部方針を変えさせた、、というストーリーだったと記憶しています。

バブル崩壊後の1990年台中盤から2004年前後のデフレ不況下で企業は、独身寮、保養所、社内運動会の廃止、スポーツ部活動の休止をする企業が相次ぎました。
経営効率を高めるために資産の圧縮に走ったのです。事業に直接寄与しない資産を持たないというのは米国経営の根本です。評価制度も成果主義に変えました。米国流の考え方を導入したのです。
日本人の強みの原点となっていた、寄り添って助け合う長屋の文化を切り捨てる傾向に進みました。日本人の強みは、すり合わせ力と言われます。
関係者が知恵を出し合って、良いものにする力なのです。
数年前から独身寮を復活する企業が増えているようです。良い傾向だと思います。

JALが行っている健康促進事業所対抗コンテストで、社員家族・親戚・ビジネスパートナー家族が参加しての体育会開催で成果を挙げた関西の事業所が優勝しました。
ROE=株主資本利益率(Return on Equity)10%を追及する経営の中にあって、社員家族の物心の健康を重視した経営に向かっている日本企業は正しいのではないか、、都市対抗野球を観戦して感じた次第です。
参考:前期実績ROE 日立=4.17%,トヨタ=12.79%

参考Blog; 社員のハピネスを高めると成績が上がり、会社は儲かると証明できると思いますか?(029)
http://blogs.itmedia.co.jp/legendsales/2015/08/post_9.html

用語解説:(必要な方だけ読んでください)

1)健康経営;
「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても 大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、 戦略的に実践することを意味しています。 従業員の健康管理、健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。 従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の元、健康管理を組織戦略に則って展開することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。

・健康経営が産業界の新たな潮流となってきた
「社員の健康私が守る」と最高健康責任者(CHO)を任命する企業もでてきた
・健康経営銘柄とは、経済産業省が東京証券取引所と共同で、従業員の健康増進に力を入れている企業を選んで発表するもの
・「従業員の健康を大切にする企業は、経営も『健康』になり、業績や株価の向上につながる」という考え方に基づく
・すぐれた特許を持つ企業を取り上げた「特許価値」、女性の活躍に注目した「なでしこ銘柄」などに続き、「健康」がテーマに据えられた

2)なでしこ銘柄;

なでしこ銘柄は、「女性活躍推進」に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重 視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、企業への投資を促進し、各社の取組を加速化していくことを狙いとしています。

平成 24 年度より、東証一部の上場企業から選定しておりましたが、今年度は、東証 二部、マザーズ、JASDAQ を含む全上場企業に拡大しました。「なでしこ銘柄」の選定は、女性管理職比率を開示している企業について、女性活躍に関するスコアリングを 実施するとともに、財務指標(ROE)によるスクリーニング等を経て、26 業種から、45 社を選定しました。

3)ESG投資;
持続可能な社会の構築に向けて貢献できているかどうかに着目して企業を選別する投資法。
所得格差拡大や地域温暖化といった問題に見舞われる中、機関投資家の間でも目先の収益だけでなく、企業の社会的責任や持続性を重視する機運が高まっている。日本でもりそな銀行が年金運用に際し、企業統治の進み具合を独自に評価した指数の活用を始めた。大手生命保険会社などもESP投資を手掛けている。